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危ないことは黙って見守る

お読みいただきまして、ありがとうございます。

みやざき足育センターの成田あす香です。

今日は、連休中の出来事をお送りします。
 
 
庭で一緒に草刈りをしていたはずの次男が、
ふと見ると、どこにもいません。

「あれ? どこに行ったのかな??」

庭を見渡すと、金柑の木に登ってました。

「え? あの細い幹に上ったりして、
 大丈夫?? 折れないかな??」

「危ない!降りなさい!!」とか言わない。

このようなシチュエーションのとき、
つい慌ててそばに駆け寄っていって、
「危ない」「折れちゃうよ」「降りて」
と言いたくなるものですが、
私はぐっと我慢するようにしています。

今から約10年前、東京で子育てをしていた頃に、
野外自主保育やプレーパークの活動に関わっていました。

そこで遊んでいる子ども達を見ていたら、
子どもは「できそうだ」という確信がないと、
意外と危ないことはしないと分かりました。

それからは、命に関わることでなければ、
できるだけ止めないと決めました。

また、けがをするのを心配して、
「危ない」「ダメ」と声をかけていると、
子どもがチャレンジしなくなっていったり、
動きがぎこちなくなったりして、
逆にけがをしやすくなることもあるそうです。
 
 

応援もしない。

一方で、
「子どもには危ないことも経験しながら、
元気に遊んでほしい」と思っている方の場合には、
「がんばれ」「こっちに手をかけるといいよ」
とか言いたくなるかもしれません。

私はどちらかと言うとこちらのタイプなのですが、
応援したり、ヒントを出したり、
手助けしたりしないようにしています。

なぜかというと、
ちょっと危ないことに挑戦している時の子どもは、
全神経を自分の全身を取り巻く環境に
集中させているからです。

そんな時に不用意に声をかけてしまうと、
子どもの意識が散漫になったり、
親の期待に応えようとがんばったりして、
逆にけがをしてしまうことがあります。
  

(ほとんどの実が採りつくされた金柑の木。
 次男が木に登っている最中は、全力で見守っていたので、
 写真は撮れませんでした)
 

湧き上がる欲求からの行動はすごい

黙って静かに金柑の木に近づいていくと、
次男は私が来たことに気づきました。

「採った金柑を入れる物、持ってこようか?」
と聞くと、次男は「うん」と嬉しそうに答えました。

タッパーを持ってくると、
次男は張り切って高いところへ登っていき、
ほとんどの金柑を採りつくしました。

皮が固くなってきているようだったので、
金柑を甘露煮にしたらどうかと提案すると、
次男が「僕がやる~!!」と言いました。

そこで、手順だけを説明し、
次男に甘露煮を作ってもらうことにしました。

洗った金柑に包丁で切れ目をいれ、
鍋で3分ほど湯がく。

熱い鍋をもって、
金柑をざるにあける。

金柑を鍋に戻し、
砂糖で煮てできあがり。

鍋からタッパに移して、
粗熱をとって冷蔵庫にしまいました。

金柑狩りから甘露煮づくりまで、
一人で最後までやり切った次男は、
たくましく誇らしげな表情でした。

正直なところ、
包丁を使っているときや、
熱い鍋をざるにあけるときは、
見ていてハラハラしていました。

本当は口や手を出したいところを、
ぐっとこらえて見守り、かなり肝が縮みました。

だから、私は甘露煮を作り終わった時の次男をみて、
「黙って見守って良かった。私、よくやった!」
と、心の中でガッツポーズをしました。
 
 

危ないことは黙って見守る

もちろん、
命にかかわることの場合には、
すぐに止めさせた方がいいのですが、
そうでなければ、
まずは「子どもを見守ってみる」。

実際にやってみると、
「私って、意外と余計な口出しをしていたな~」
と気づけますよ。

最後までお読みいただき、ありがとうございました。

このサイトの管理人
成田 あす香

みやざき足育センター 代表/NPO法人日本足育プロジェクト協会 理事

保育士/足育アドバイザー(R)/健康経営アドバイザー

子どもの体の健やかな成長と大人の健康づくりに欠かせない「足と靴の基礎知識」「体を動かす楽しさ」をテーマに、2013年より講演活動などを行っています。
これまでに、宮崎県内21市町村と全国5都県にて延べ300回以上の足育講座を開催し、受講者は5000人を超えました。

2024年には、幼少期の足の成長への貢献が評価され、「運動器の健康・日本賞」奨励賞を受賞。
また、宮崎日日新聞「からだの土台足育」連載や、UMKテレビ宮崎、MRT宮崎放送でのメディア出演の実績もあります。

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