宮崎市立赤江小学校のPTA家庭教育学級にて足育講座を開催し、保護者の方12名とお子さん5名にご参加をいただきました。
保護者のお一人が、家庭教育学級の担当の方に足育講座をご提案され、
「宮崎ではあまり聞いたこともなく、自分自身に足のトラブルがあり、興味があった為。学校でも保護者の興味がある方が多かったので」
とすぐに依頼をお決めいただきました。
私にとっては、小学校から足育講座をご依頼いただくのは初めてのことです。
私が足育の必要性に気づいた理由のひとつが、長男が小学校の上履き(バレーシューズ)が原因で、足の指が変形したことでしたので、小学校からのご依頼は大変嬉しいことでした。
本日の講座は「足育の必要性を実感する」をめあてに、内容を企画させていただきました。
赤江小学校の子供達の様子を知りたかったので、どんな学校かな? とホームページを拝見しますと…なんと!!
保健の先生が発行されている「ほけんだより(H27.9.15)」に『くつや上ばきはからだにあっていますか?』という記事が載っているではありませんか。
げたばこにならんでいる靴をみると、かかとがふみつけられているくつをみかけます。また、保健室にはくつづれや、靴がちいさくなりそれによって親指や小指の痛みを訴えての来室が多くなっています。もう一度自分のくつが体にあっているか たしかめてみましょう。また、デザインにまどわされず、走りに適したくつを選ぶことがポイントです。
そうなんです!
かかとを踏んでしまったら、靴の命はおしまいなんですよ〜。
また、かかとが踏めるような靴は、かかとを支えられない靴です。
保健の先生、記事を書いてくださってありがとうございます〜!!
『足に合うくつをえらびましょう』と、イラストとポイントが書いてありましたので、本日の足育講座ではこの記事を教材に靴の選び方を説明させていただきました。
サイズはあっていますか?大きかったり小さかったりしませんか?
小さいのは良くないだろうな…とほとんどの方が考えますが、大きいものなら大丈夫と思いがちですよね。
実際に、参加された保護者の皆様からも「1年履けるようにワンサイズ大きい靴を選んでいる」という声が挙げられました。
本日は、大きい靴がよくない理由を、実際に見て頂きました。
足計測の結果で足長が22.5センチ弱だった方に、23センチの靴と23.5センチの靴を履いて歩いていただきます。
すると…23.5センチの靴では、途中で少しよろけてしまいました。
思わず「演技ですか?」と伺ってしまったほどの見事なよろけぶりに、「大きなサイズの靴はダメ」と皆様揃って実感されていました。
指が動かせるよゆうのあるものをえらびましょう
中敷をはずして足を載せて、爪先にゆとりがあるかをまずチェックすること。
履いた状態で足指を軽くグーパーして指が動かせるか確認すること。
以上2点のチェック方法をお伝えしました。
このぶぶんがまがるものをえらびましょう
イラストだけだと分かりにくかったのですが、足指で蹴り出すときに曲がる部分です。
靴底が固すぎて足指で蹴り出す動きが妨げられる靴は、足が疲れたり、不自然な歩き方が身についたり、という弊害があります。
かかとがしっかりしているものがよいです
かかとをふんでいませんか?
実はかかとの骨は足の中心にはなく若干ですが外側にずれています。
若干 外側にあるかかとの骨を、筋肉や腱の力でまっすぐに保っているのですが、その力が弱いとかかとが傾きやすくなってしまいます。
これを支えてくれるのが、靴のかかとに入っている「ヒールカウンター」です。
ヒールカウンターのしっかりした靴で足を支えてあげながら運動をしていくことで、正しく筋肉を育てていくことができます。
靴は選び方によって、足のはたらきを妨げるものにもなり、足のはたらきを助けるものにもなるのです。
続いて、小学生が一番長い時間はいている「うわばき」について、実験を通して考えていただきました。
(A)一般的に上履きとして履かれているバレーシューズ
(B)足の健康を考えて作られた上履き
(C)中学校で指定靴となっていることが多いサンダル
それぞれの履き物を履いて、組んだ手の平を上から押して踏ん張れるかどうか、片足立ちができるかどうかを、試して頂きました。
「(A)一般的に上履きとして履かれているバレーシューズ」では、手の平を上から押すと踏ん張ったもののよろけてしまい、片足立ちはフラフラしてしまいました。
「(B)足の健康を考えて作られた上履き」では、手の平を上から押すとしっかりと踏ん張ることができました。片足立ちも姿勢を保つことができました。
「(C)中学校で指定靴となっていることが多いサンダル」は、履く前に既に怖がられています。
きっと(A)はよほど不安定だったのでしょうね。
手の平を上から押すと全く踏ん張れずに、片足が一歩前に出てしまいました。また片足立ちもほとんどできませんでした。
このように、履き物で身体が受ける影響は大きく違います。
アンケートより、一部ご披露いたします。
「23センチと23.5センチをはき比べて、違いがはっきりわかりました。家に帰ったら、子供の靴の中敷をはずしてサイズをはかって改善します」
「見ているだけで全然ちがい、またやった方の話で全く違うと聞いて、子供には1センチ大きめを買っていたのですご〜く反省しました」
「すべてにビックリでした!子供の足にあまり注意してみたことがないので、帰ったら早速素足を見てみます。自分の子供の頃と違うんだと分かったり、靴で安定感が違うんだと本当に驚きました」
主催者である家庭教育学級のご担当者様からの声です。
「実際にサイズの違う靴をはいてみたりして、とても分かりやすかったです。子供の靴選びにも参考にさせて頂きたいと思いました。また、機会があれば学校で講話して頂ければと思います」
講座の最後に、この足育講座をご提案された方が、足育講座を開きたかった理由をお話しくださいました。
これからは介護がますます問題になる。
今は介護サービスを受けられている軽度の介護が、サービス適用外になることが見込まれること。
介護保険の負担率が、これから上がっていくと見込まれること。
仕事で、歩行困難だった高齢者がインソールを入れただけで歩けるようになったのを見て、足や靴に関心を持たれたのだそうです。
高齢者は、転倒をきっかけに要介護になることが多く、要介護になるとお金も人手も必要になります。
まずは自分がしっかりと、いつまでも自分の足で歩けるようにすること。そして、子供達の足をしっかりと育てることが大事。
そう考えられて、足育講座をご提案してくださったのだそうです。
私も、足育を我が子に留めずに社会に広めようと思ったのは、全く同じ理由からです。
高齢化社会の問題をただ心配するのでなく、自分にできる行動をしよう。
不安がっていても未来は変わらないけれど、行動すれば未来は変わる。
私は、そう信じています。
同じ気持ちの方にお招きいただいたことが、とても嬉しかったです。ありがとうございました。
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