
こんにちは! 足育アドバイザーで保育士の成田です。
夏になると「そろそろサンダルを履かせてもいいのかな?」「どんなサンダルが足にいいの?」という声をよくいただきます。
今回は、サンダルを履かせる時期や選び方、サイズ確認のポイント、そして使用場面ごとの注意点をまとめました。
サンダルを履かせ始める時期
そもそもサンダルは、靴に比べて足を支える機能が弱く、長時間の歩行やお出かけには向きません。
水遊びなど、必要な場面に限定して使うようにしましょう。
また、歩き方が安定するまでは避け、早くても2歳以降まで待つことをおすすめします。
歩き始めの頃は、両腕を大きく広げてバランスをとりながら、体全体で重心を移動していく「ハイガード歩行」からスタートします。
やがて、だんだんと腕の位置が下がっていき、かかとから着地しつま先で地面を押し出す「あおり歩行」へと移っていきます。
歩き始めから2歳頃までは、この歩き方の基礎が身についていく大切な時期です。
足をしっかり支えながら、動きに合わせて一緒についてきてくれるように、ベルト付きの靴を選びましょう。
サンダル選びのポイント
では、サンダルを選ぶときには、どんな点に気をつければいいのでしょうか。
ここからは、足育の視点で見るサンダル選びのチェックポイントをご紹介します。
基本的な考え方は、靴の選び方と同じです。
- ベルトで足の甲に合わせてしっかり留められること
- サイズが足の長さと幅に合っていること
- 足の指の付け根のところで曲がること
- かかとの支えがしっかりしていること
- 底は衝撃を吸収する厚みがあり、滑りにくくなっていること
- つま先が少し反りあがっていること
- つま先が足の指を圧迫しないこと
サンダルを履く場面は、水辺など濡れやすい環境が多いと思います。
濡れた場所は滑りやすいため、底の滑りにくさは特に重要です。
また、プールサイドのような硬いコンクリートの床では、底が薄くて柔らかすぎると足に負担がかかります。
サンダルを選ぶときこそ、底の厚みと滑りにくさをしっかり確認することが大切です。
サンダルのサイズ選び
靴のサイズ選びでは、中敷をはずしてその上に足を乗せて立ち、つま先の余裕が適切かを確認する方法がおすすめです。
しかし、サンダルの場合は、中敷がはずせないものが多くあります。
つま先が開いているデザインの場合は、外から見て必要な余裕の目安を確認できます。
- 靴のサイズが15cm以上の子ども靴→10mm程度の余裕があるものを選ぶ
- 靴のサイズが15cm未満の子ども靴→5mmから8mm程度の余裕があるものを選ぶ
つま先が開いていないデザインの場合は、履いた状態で上からつま先部分を触れて確認したり、実際に歩かせてみて判断します。
歩き方が不安定だったり、転びやすい様子が見られる場合は、そのサンダルは足に合っていません。別のものを試しましょう。
サンダルに関するQ&A|サンダルを履くとよく転ぶのは?
足育相談では、「このサンダルを履くと、よく転ぶ気がするのですが…」というご相談をよくいただきます。
実際にサンダルを見ると、かかとに支えがないデザインであることが多いと感じます。

かかとの支えがなく、足の甲の部分だけをベルトで固定しているタイプのサンダルは、歩くときに足がぐらつきやすく、不安定になって転びやすくなります。
特に歩き方がまだ安定していないお子さんには、かかとの支えがしっかりしていて、足の甲を覆う部分が広いデザインがおすすめです。
また、つま先の反りあがりがなく平らなデザインも要注意です。
つま先が地面につっかかりやすく、転倒の原因になります。
サンダルを平らなところに置き、横から見てつま先が少し反りあがっているかを確認しましょう。

サンダルに関するQ&A|夏はサンダルを履かせた方がいい?
足育講座では、「夏は暑いので、サンダルを履いた方がいいですか?」という質問をよくいただきます。
結論から言うと、夏だからといってサンダルを選ぶ必要はありません。
靴は蒸れやすいというイメージがあるかもしれませんが、それはサイズが合っていなかったり、履き方が正しくないことが原因かもしれません。
足に合うサイズの靴を正しく履くと、歩くたびに靴の中の空気が出入りする「ふいご現象」が起こります。
この空気の流れと吸湿性の高い靴下を組み合わせれば、靴の中は思ったほど蒸れません。
サンダルは、海や川、プールなど水辺での活動といった必要な場面で活用しましょう。
長時間の歩行や日常の外遊びは、靴を履いても問題ありません。
サンダルに関するQ&A|川遊びや磯遊びにおすすめのサンダルは?
川や磯で遊ぶときのサンダル選びについても、よく質問をいただきます。
川遊びや磯遊びに使うサンダルは、足にしっかり固定できるベルトがあり、つま先を覆うタイプを選びましょう。
ベルトがないと、水の流れでサンダルが脱げやすく、サンダルが流されてしまいます。
また、つま先が開いていると、足の指のけがや、爪が折れたり剥がれたりするリスクが高まります。
水の中では皮膚や爪がふやけて柔らかくなり、その状態で岩や石にぶつかったり、流れてきた物が足に引っかかったりすると、足の指や爪の損傷につながります。
次に紹介するのは、水遊びでの使いやすさや足もとの安全を考えて作られたサンダルです。

なお、ワンシーズンに何度も使う予定がなければ、スニーカーで代用することも可能です。
靴下で履くとつま先の余裕がないけれど、裸足なら5mm程度の余裕がある靴は、水遊び用として活用できます。

まとめ
夏といえばサンダルが思い浮かびますが、サンダルも靴と同じように、子どもの成長や健康、そして安全に関わる大切な履き物です。
サンダルこそ、選び方のポイントやサイズに気を配り、足の成長を守る一足を選びましょう。
サンダルは靴に比べると足を支える力は弱いため、夏だからという理由だけで日常的に履かせるのではなく、海や川、プールなど必要な場面に限定して、使い分けることが大切です。
足育アドバイザー(R)/保育士
成田あす香
