こんにちは!足育アドバイザーで保育士の成田です。
こんな質問をいただきました。
娘がバレエを習いたがっているのですが、バレエは足に良くないイメージがあるので心配です。
クラシックバレエに憧れるお子さんは多いですよね。
私も小学1年生の頃に1年ほど、それから大人になって俳優を目指していた頃にバレエを習っていた経験があります。
トウシューズを履いて足を酷使するバレエは、確かに足に良くないイメージがありますが、習い始めてすぐにトウシューズを履くわけではありません。
習い始めは基礎を身につけるレッスンがメインで、楽しく体を動かす機会ができ、体作りや運動能力の向上になるなどのメリットもあります。
今回は、体を育む観点から見たバレエを習うメリットとデメリット、足のトラブルを防ぐために気を付けたいことをお話しします。
バレエを習うメリット
楽しんで体を動かす機会ができる
運動が苦手で嫌いでも、踊りならやってみたいというお子さんもいます。(私はまさにそうでした)
子どもの健康な発達のためには、遊びを中心に毎日60分以上の運動が薦められていますが、それを確保するのは難しいところもあると思います。
バレエを習うことで、週に1回から2回は運動の機会が確保でき、子どもたちが楽しく体を動かすことができます。
体の軸ができ、しなやかな体使いが身につく
バレエの基本動作では、体の軸を確立し、しなやかな体の使い方を身につける練習を行います。
これによって、日常生活でも姿勢が良くなり、体をやわらかく、バランスよく使う力が高まることが期待できます。
リズム感や表現力が高まる
バレエは音楽に合わせて踊ることが基本です。
自然とリズム感が養われ、手先や足先まで意識して様々な感情や物語を踊ることで表現力も高まります。
バレエを習うデメリット
間違った体の使い方で体を痛めることがある
いい姿勢を意識して腰を反らせてしまったり、足を外側に開こうとして関節に負荷がかかりすぎたりなど、間違った使い方をして逆に体を痛める場合もあります。
正しい体の使い方を学ぶためには、少人数のアットホームな教室や、解剖学や理学療法の視点を取り入れている先生を選べると良いと思います。
最近はYouTubeにバレエの体の使い方解説が数多くアップされていますので、親が動画で学んで子どもの体の使い方に気を配るのも良いと思います。
トウシューズはやはり足を痛めやすい
トウシューズでは特殊な足の使い方をしますので、足への負担が大きく、けがや故障のトラブルのリスクが高いです。
子どもの足の健康を守るためには、トウシューズを履く時期はできるだけ遅いことが望ましく、国際的なガイドラインでは「12歳以下では履かせない」と書かれているそうです。
日本では10歳頃からトウシューズデビューする教室が多いようですが、本来はトウシューズの使用に関して慎重に考える必要があります。
また、プロを目指しているのでなければ、トウシューズを履かない選択もあって良いと思います。
足のトラブルを防ぐために気を付けたいこと
バレエシューズも1か月に1回サイズの確認を
普段の靴はサイズに気を配っていても、バレエシューズのサイズチェックは忘れている親御さんが意外と多いです。
あたりまえのことですが、バレエシューズもサイズアウトしますので、月に1回のサイズチェックを忘れないでください。
痛みに気づいたらすぐに整形外科を受診して
体を使う習い事をする場合に、気を付けておきたいのが、成長期に起こりやすい関節の炎症などのトラブルです。
体が急激に成長する時期は筋肉が固くなりやすく、トラブルが起こりやすいという特長があります。
痛みがあるのを我慢して、無理を重ねてしまっていると、それが一生に関わるトラブルになることもあります。
もしも、体の痛みに気づいたら、すぐに整形外科を受診してください。
そして、「痛みがおさまるまでは無理をせずに休もう」と声をかけてあげてください。
レッスン後のケアを行い、しっかり休むこと
レッスンでは日常生活ではしない動きをたくさんして、体に負担がかかっていますので、ケアを行い、十分に休むことが必要です。
お風呂でゆっくりと温めたり、全身のストレッチをしたり、足の指や足首をくるくる回したりなど、ケアを丁寧にしてください。
レッスンは週1回から2回程度で良く、もしプロを目指すとしても休養日をしっかり取ることが大切です。
まとめ
バレエは、楽しんで体を動かす機会を作り、姿勢や体の使い方、リズム感や表現力を高める素晴らしい習い事である一方、けがや故障のリスクもあります。
メリットとデメリットを考慮し、バレエが楽しく体を育むきっかけになればと思います。
足育アドバイザー(R)/保育士
成田あす香