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散歩ではむずかしいところを歩いて3つの力を育てる

子どもの散歩って、本当に寄り道が本当に多いと思いませんか?

そして面白いのが、わざわざむずかしいところを歩くこと。

「なんでこんなところを…」と大人は思いますが、子どもはこうやって体と心を育てているのです。

本日は、散歩でむずかしいところを歩いたときに育まれる3つの力と、これらの力を育むための親の関り方のポイントについてお届けします。


(出典:photo-ac

子どもはむずかしいところを歩くのが好き

舗装された歩きやすい道があるのに、子どもはわざわざむずかしいところを選んで歩きます。

電信柱と塀に挟まれた狭いところを抜けようとしたり、車道と歩道の境や花壇の縁石の上を歩いたり、舗装された道に接した土や砂利の上を歩いたり…。

この行動は、1歳の歩き方がだいぶ安定してきた頃から見られ、大きくなってもまだまだ大好き。

たまに小学校低学年の男の子たちがこんなところを歩いているのを見ますが、うちでは小5の娘もまだまだやっています。

川原の堤防を上ろうとしたとき、階段ではなく、わざわざ階段の両端にあるコンクリートブロックの斜面をかけ上がっていきました。

むずかしいところを歩いて育まれる3つの力

むずかしいところを歩くことで、子どもは生きるために必要な「姿勢を制御する力」「全身の筋力」「いま子供たちに必要と言われている力」を育みます。

(1)姿勢を制御する力

もしリカちゃん人形を土の上に置いたら、リカちゃんは倒れてしまいますよね。

でも、人間は倒れません。

これは、足の裏などでキャッチした接地面の凹凸や傾斜の情報が、すぐに神経系に届いて処理されて筋肉に指令が送られ、全身の筋肉が絶妙に働いてバランスを取って、身体が倒れることのないように姿勢を制御しているからです。

(2)全身の筋力

人間が歩いたり走ったりできるのも、静かに座っていられるのも、全身で600を超えると言われる大小さまざまな筋肉が伸び縮みして、関節を動かしたり固定したりしているおかげ。

むずかしいところを歩くと、大きな筋肉も小さな筋肉もくまなく使う動きが引き出され、全身の筋力が育ちます。

(3)「集中力」「発想力」「自己肯定感」など、いま子どもたちに必要と言われている力

子どもたちがむずかしいところを選んで歩こうとする様子を見ていると、「やってみたい」→「やれそうだ」→「やってみよう」→「できた」という感情の変化があります。

歩いている最中の目は真剣そのもので、全神経を集中させているように感じられます。

ときどき失敗することもありますが、めげずに再挑戦。歩幅や体の向きを変えるなど、何やら工夫をしているようです。

そして「できた」というときのすっきりした表情や、晴れ晴れした表情。この経験の積み重ねが、「やればできる」「自分ってすごい」という自己肯定感を育むと言われています。

親は手出し口出しせず、黙って見守ることがポイント

むずかしいところを歩くことで育まれる力を知ると、「こういう遊びをさせないと」と意気込みたくなります。

でも、この力を育てるためには、手出し口出しをせずに「黙って見守ること」が大事。

「こういう動きをやらせよう」と意図的に関われば、それは自由な遊びではなく「トレーニング」になり、伸び伸び楽しく力は出せないからです。

また、子どもがやり出したのを見て、手出し口出しをしてしまうと、子どもが自分で考えて動く機会が奪われたり、集中が途切れてしまったりします。

やたらとほめるのもNG

「できたときには、たくさんほめるのが良い」と思いがちですが、これも口出しの一つ。

基本的には、意識してほめることはしないでください。

なぜかというと、子どもは、ほめてもらいたくてやる訳ではなく、やりたいという欲求に従ってやっているからです。

それをなんでもほめてしまうと、人からほめられることが当たり前になってしまいます。

「ほめられるからやる」という価値観が育ったり、できないこと(=ほめられない)を恐れるようになったりするかもしれません。

ほめるべき瞬間を見逃さないで

基本的にはほめなくてOK、ですが、ほめてほしい瞬間もあります。

それは、子どもが「できたことを認めてもらいたい」「がんばった自分を認めてもらいたい」と思っている瞬間です。

こういうときの子どもは、親や信頼する大人の方をちらっと見るなど、何かサインを送っています。

子どもからのサインをキャッチして、「できたね」「がんばったね」とすかさず声をかけると、子どもは本当にうれしそうな顔をします。

このサインを見逃さないために、手出し口出しをせずに「黙って見守ること」が大事なのです。

大人同士のおしゃべりやスマホに気を取られていると、この瞬間を逃してしまうので要注意。

とはいえ、私も逃してしまって、反省することは多々あります(苦笑)


この記事の内容には、私のバイブルである丸山美和子先生の本のエッセンスが詰まっています。良かったら一度読んでみてください。

子育てと健康シリーズ27 育つ力と育てる力(著者:丸山美和子 発行:大月書店)

最後までお読みいただき、ありがとうございます。

この記事は、メールマガジンで配信したコラムを加筆再編してお届けしました。
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100歳まで歩ける足を育てる保育士
足育アドバイザーⓇ 成田あす香

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成田 あす香

みやざき足育センター 代表/NPO法人日本足育プロジェクト協会 理事

保育士/足育アドバイザー(R)/健康経営アドバイザー

子どもの体の健やかな成長と大人の健康づくりに欠かせない「足と靴の基礎知識」「体を動かす楽しさ」をテーマに、2013年より講演活動などを行っています。
これまでに、宮崎県内21市町村と全国5都県にて延べ300回以上の足育講座を開催し、受講者は5000人を超えました。

2024年には、幼少期の足の成長への貢献が評価され、「運動器の健康・日本賞」奨励賞を受賞。
また、宮崎日日新聞「からだの土台足育」連載や、UMKテレビ宮崎、MRT宮崎放送でのメディア出演の実績もあります。

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