こんにちは! 足育アドバイザーで保育士の成田です。
子どもがよく転んでしまう…。
その原因が、実は靴の履き方にあるかもしれません。
お子さんの健康と安全を考える上で、靴の履き方はとても重要なポイントです。
今回は、子どもたちの健やかな成長をサポートするために、正しい靴の履き方についてお伝えします。
日常の小さな習慣が足に及ぼす影響
私たちは、正しい靴の履き方を習ったことがありません。
日本では日常的に靴の脱ぎ履きが多いこともあり、つい楽な履き方をしてしまいがちです。
たとえば、立った姿勢で足を靴に入れかけた後、つま先をとんとんと地面に打ちつけて足を入れる。ベルトや靴紐を外さずにそのまま履く。
このような間違った履き方が転びやすさにつながるだけでなく、足の成長や健康にも影響を与えるかもしれません。
正しい履き方を知ることで、転倒によるけがはもちろん、足の健やかな成長を守ることができます。
お子さんの足を元気に育むために、正しい履き方を一緒に学んでみませんか?
正しい靴の履き方の合言葉は「かかとトントン ベルトでギュー」
子ども向けのベルトのついた靴の履き方で説明します。
なお、ベルトのないスリッポンタイプの靴は脱げやすく転びやすいので、お子さんの履き物にはおすすめできません。
(1)座って履く
靴を履くときは、玄関の段差や椅子などに座り、両手を使えるようにします。
(2)かかとトントン
靴のベルトを外して、靴の中に足を入れます。
かかとを地面に軽くトントンと打つようにして、足と靴のかかとの位置を揃えます。
もし靴の甲の部分にあるベロ(シュータン)がはみ出していたら、靴の中に収めてください。
(3)ベルトでギュー
片手で靴の履き口の部分を引き寄せて押さえておきます。
反対の手でベルトをしっかりと引き、足と靴がぴったりとフィットするように丁寧にとめます。
最後に、足首周りにゆるみがないことを確認し、反対の足も同じように履いてください。
動画で見る正しい靴の履き方
靴の履き方で足もとが変わる
正しく靴を履くことができると、転びにくくなるだけでなく、歩きやすさや走りやすさ、そして足の発達にも良い影響を与えます。
足育講座で靴の履き方を練習して皆さんに体を動かしてもらうと、「足が軽い」「歩きやすい」「足が包まれるようで気持ちいい」という感想や、お子さんについて「転びそうな感じがなくなった」「走り方が良くなった」などの声が寄せられます。
また、お子さんの内股が気になると相談に来られた事例では、靴を正しく履くだけで足のつま先の向きが変わったこともありました。
正しい靴の履き方は、お子さんの健やかな成長をサポートします。
子どもに正しい靴の履き方を教えるには
子どもが1歳から2歳の頃は、大人が靴を履かせてあげてください。
正しい靴の履き方の動作に合わせて「かかとトントン」「ベルトでギュー」と声をかけ、履き方を教えていきましょう。
この時期は、足と靴がフィットしている感覚を、足に覚えさせることが大切です。
2歳頃になると、子どもは自分で靴を履きたがるようになりますが、自分で履かせるとベルトのとめ方が甘いことも多いです。
靴が履けたら、足首周りにゆるみがないかを確認し、最後に大人が「仕上げ履き」をしてください。
大人が靴の履き方を引き寄せて押さえる役をして、子どもにベルトをとめさせるようにすると、子どもが「自分で履いた」という達成感を得やすくなります。
また、「親の背中を見て子は育つ」ということわざがあります。
子どもに正しい靴の履き方を教えるためには、大人も正しく靴を履くことが重要です。
靴を履くのも子どもとのコミュニケーションの機会ととらえ、しっかりと時間をとって、楽しく正しい履き方を身につけていきましょう。
まとめ
正しい靴の履き方は、子どもの健やかな成長をサポートするために、とても大切な習慣です。
靴を正しく履くことで、転倒によるけがを予防するだけでなく、身体能力も発揮しやすくなり、足の発達にも良い影響を与えます。
家庭や保育園、幼稚園で、子ども達に正しい靴の履き方を教えていきましょう。
足育アドバイザー(R)/保育士
成田 あす香