宮崎日日新聞で連載させていただいたコラム《からだの土台「足育」》からお届けいたします。
「おすすめのメーカー」はありません
講座で多い質問が「子ども靴でおすすめのメーカーやブランドは?」です。
まず、「おすすめのメーカー」は、決められません。
なぜなら、ひとつのメーカー(例:Asics、アサヒ、アキレスなど)が作っている靴には、日常生活に適した靴もあれば、特定のスポーツのための靴、ファッション性を重視した靴もあるからです。
子どもにお薦めしたいのは、歩いたり走ったりという日常のさまざまな体の動きと成長を妨げない靴です。
それを見極めるには、次の五つのポイントをチェックしてください。
子どもの足によって良い靴かどうかを見極める5つのポイント
(1)つま先に広さと厚みがあること
子どもの足は、大人の足に比べると扇形で、骨が軟らかいので、足指を圧迫しないようにする必要があります。
(2)ベルトがついていること
ベルトがついている靴は、甲の高さや足首の太さに応じて、足と靴をぴったりと合わせて履けます。
(3)足指の曲がる位置で靴が曲がること。
足は、歩くときも走るときも指の付け根が曲がります。そのときに、靴も同じように曲がらないと、足に負担をかけます。
(4)靴底が硬すぎず、軟らかすぎず、適度な弾力があること。
足指で靴が曲がることは必要ですが、どこでも曲がるような靴底の軟らかいものは、固い地面の衝撃から足を守れません。
(5)かかとがしっかりしていること
筋力の弱い子どもの足は、かかとの骨が外側に傾きやすく、その状態で足への衝撃が重なると、かかとの骨の成長に影響する場合があります。
写真のように、靴のかかとを手で触り、固い芯が入っているかどうかを確認しましょう。
「おすすめのブランド」もありません
ひとつのメーカーで複数のブランドの靴があります。
「このブランドはいいですか?」とおすすめを聞かれることもありますが、これも決められません。
一つ目の理由は、同じブランドの靴でもモデルチェンジがあり、前は良かった靴がチェックポイントを満たさなくなったり、その逆があったりすること。
二つめの理由は、足の形はひとりひとり違うので、いくら評判の良いブランドの靴でも、足に合う人と合わない人がいるからです。
メーカーやブランドではなく、チェックポイントを満たしているかどうか、足に合っているかどうかを確認してください。
最後までお読みいただきありがとうございました。
みやざき足育センター 成田あす香