お読みいただきまして、ありがとうございます。
みやざき足育センターの成田あす香です。
子育て支援センターなどに足育講座に伺ったときに、
赤ちゃんのいるお母さんから
「なかなか、はいはいをしないのですが、
大丈夫でしょうか?」
というご相談をいただくことがあります。
お子さんの姿を確認させていただくと、
床におすわりをして、おもちゃで遊んでいます。
そこで、お母さんに、
「おすわりができるんですね。
自分でこういう風にすわりましたか?」
と聞くと、ほぼ間違いなく、
お母さんが座らせたというお答えをいただきます。
育児雑誌などでは、6か月頃からおすわりのことが書いてありますが…
育児雑誌などを見ると、
「6カ月ごろは背中を丸めて、両手を体の前について支えるようにして座る」
というようなことが書いてあります。
また、母子健康手帳でも、
6~7か月頃の発達を記録するページに、
「おすわりをしますか。(7か月頃)」
という質問が載っています。
確かに、この時期に赤ちゃんをすわらせると、
支えがなくても姿勢が保てるようになってきます。
それで、多くのお母さんが、
おすわりをさせてしまうようなのですが、
これは「すわらせれば、すわることができる」
というだけで、自分ですわったのではありません。
だから、赤ちゃんはそこから身動きがとれないのです。
「はいはいをしない」という悩みは、
まだはいはいができない赤ちゃんを、
すわらせているからかもしれません。
自分でおすわりができるのは、はいはいができるようになってから
はいはいができない赤ちゃんをすわらせると、
なぜ、そこから身動きがとれないのでしょうか。
まだ一人で立つことのできない赤ちゃんが、
おすわりから他の姿勢を変わるためには、次の動きをします。
(1)おすわり
↓
(2)両手を体の前に出して、手のひらを床につく
↓
(3)両腕でからだを支えながらお尻をあげ、体をひねる
↓
(4)両膝をついて、はいはいの姿勢になる
また、自分からおすわりの姿勢になるときは、
次の動きをします。
(1)両手両膝を床についたはいはいの姿勢
↓
(2)お尻を後ろに引いて、斜めにすわるような姿勢になる
↓
(3)両手を床から離しながら、お尻を床につける
↓
(4)両脚を開いてすわる
このように、
自分でおすわりから姿勢を変えたり、
おすわりをしたりするためには。
必ず途中ではいはいの姿勢をとります。
だから、まずはおすわりをさせるのをやめて、
はいはいができるようになるのを待ってください。
はいはいができるようになる時期の目安
とはいっても、なかなかはいはいをしない気がすると、
やっぱり心配になりますよね。
お手持ちの母子健康手帳を見てください。
9~10か月頃の発達を記録するページに
「はいはいをしますか」という質問が載っていませんか。
ということは、9~10か月頃までに、
はいはいをしていれば大丈夫、ということです。
赤ちゃんの発達には個人差があるので、
もっと早くはいはいをしている子もいるかもしれません。
でも、焦らないで。
大事なことは、
きちんと次の順番通りに発達しているかどうかです。
今の発達を大切に見守ってあげてください。
首がすわる
↓
寝返り
↓
すわらせれば、支えなしですわれる
↓
おなかをつけたはいはい(ずりばい)
↓
両手両膝をつけたはいはい
↓
自分でおすわりする
おすわりは、
視点が高くなって遠くが見えるので、
赤ちゃんも喜ぶと思います。
でも、床の上でたくさん寝返って、
ごろごろと遊ばないと、
はいはいができるようになりません。
すわらせるのは、
授乳や離乳食の時に限るようにしましょう。
「はいはいをしない」という悩みは、「おすわりをさせない」で解決
はいはいができる前におすわりをさせてしまうと、
はいはいができるようになるチャンスを逃してしまうので、
どうしても必要なとき以外は「おすわりをさせない」と決めて、
赤ちゃんの発達を見守っていきましょう。
慣れないうちは、
赤ちゃんが泣いてしまうこともあるかもしれません。
そんなときは、
「仰向けやうつぶせでも、楽しく遊べるよ」ということを、
赤ちゃんに教えてあげてください。
お母さんの胸の上に赤ちゃんをうつぶせに抱っこして
顔を見合わせてみたり、
お母さんが脚を前に投げ出して座り(長座)、
脚の上に赤ちゃんを寝かせて軽く揺らしてあげたりすると、
赤ちゃんも安心して楽しく遊べますよ。
なお、発達の専門の先生にお力を借りたほうが良い場合もあります。
気がかりなことがあるときは、
まずは乳幼児健診を受けているところで相談をしてみてください。
お読みいただき、ありがとうございました。
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