お読みいただきまして、ありがとうございます。
みやざき足育センターの成田あす香です。
現在、親子足育クラスに参加されている方は、
どの方も二人育児の真っ最中です。
二人育児というと「大変!」と思いますよね。
確かに、決して楽ではありません。
私も経験者ですから、その大変さはよく分かります。
でも、「子どもの体の力を伸ばす」という視点に立つと、
2人いるからこそ良いこともあります。
赤ちゃんとはいはいをして、上の子の上半身の力が育つ
上の子が、赤ちゃんと一緒になって
はいはいをしているのを見かけたことがありませんか?
実は、足育クラスでも、子どもの足を育てるために
赤ちゃんも2~3歳の子もいっしょになって、
はいはいの動きをしているんです。
なぜ、
はいはいが足を育てることにつながるのか。
その理由は、
人間が生まれてから歩けるようになるまでには、
1年から1年半もの時間がかかるところにあります。
人間の足は、
とても緻密で繊細な構造をしています。
例えば、骨で見ると、
大人の足の場合には片足が26個、
左右合わせて52個の骨があると言われています。
体全体の骨は約200個あると言われていて、
骨の数で見ると約25%が足に集まっています。
体全体の面積に対して、
足の裏の面積はたったの2%なので、
その緻密さが分かります。
だからこそ、
足には骨格の崩れなどのトラブルも起きやすい。
赤ちゃんが歩けるようになるまでの時間は、
重力に逆らって上半身をまっすぐに保つ筋力を育て、
足に体重の負担をかけないようにするための、
必要不可欠な時間なのです。
赤ちゃんが歩くまでの間の発達には、
寝返り、うつぶせ、お腹をつけたはいはい(ずりばい)、
両手両膝で支えるはいはい、
両手両足で支えてお尻を高く上げるはいはいなどの
動きがあります。
このように、2人一緒だからこそ、
上の子は赤ちゃんがする体の動きを再びすることができ、
二人一緒に上半身の筋力を高められるメリットがあるのです。
上の子の遊びを見て、動きのイメージができる
今度は下の子に視点を移してみましょう。
下の子にとって、
自分のお兄ちゃんお姉ちゃんは憧れの存在です。
見ていると、
なんでも同じことを真似しようとしますよね。
先日の足育クラスでは、
「3日前から歩き始めました」という報告を、
1歳の女の子のお母さんからいただきました。
そして、クラスの始まりに行っている雑巾がけが始まると、
その子が自分から雑巾をもっていき、
目をきらきらと輝かせて床の雑巾がけを始めました。
この女の子は、生後3カ月の頃から、
お姉ちゃんと足育クラスに通っています。
きっと、お姉ちゃんが雑巾がけをしているのを、
憧れのまなざしで見ていたのでしょうね。
雑巾がけができる喜びが、
全身からあふれ出ていました。
この子のお姉ちゃんが1歳だった頃も、
お母さんの真似をして楽しそうに雑巾がけをしていました。
しかし、この女の子の雑巾がけは、
お姉ちゃんのときとはまるで違いました。
上の子と下の子の年齢が近いからこそ、
下の子は「自分にもできそうだ」というイメージができ、
下の子の体の動きが引き出されていく。
これも、二人一緒に育てているからこそのメリットです。
おむつはずしも二人同時にできる
ところで、子どもの年の差が1~2歳の
二人育児をしているお母さんからは、
「上の子のトイレトレーニングがなかなかできない」
「おむつ代が二人分かかって大変」
という悩みをよく伺います。
下の子が生まれると、いっぱいいっぱいになって、
トイレトレーニングがストップして、
おむつに頼りきりになりやすいですが、
やり方によっては、
二人同時におむつはずしもできるんです。
足育クラスでは、活動が始まる前に、
赤ちゃんも1~2歳の子も、おまるやトイレに行きます。
また、1歳頃からはできる限りおむつを外すようにして、
パンツとズボンで参加してもらっています。
なぜかというと、
おむつをつけていると股関節周りが動かしにくくなり、
はいはいや歩行のときの足の使い方に違いが出るからです。
おむつにおしっこやうんちをさせるのを当たり前にせず、
頃合いを見てトイレに誘ったり、
おむつを外してパンツで過ごすようにしていると、
トイレトレーニングをがんばらなくても、
どの子も2歳頃にはほぼ排泄が自立するものです。
3歳&1歳の子育て中のAさんの家では、
お姉ちゃんがトイレに行くと、
妹もトイレの中にあるおまるに座り、
超ご機嫌で過ごしているそうです。
二人同時にトイレに連れて行けば、
「上の子のトイレトレーニングがなかなかできない」
という悩みも解決しますよね。
また、おむつの枚数も減ってくるので、
「おむつ代が二人分かかって大変」
という問題もなくなります。
二人育児は大変なばかりじゃない
二人育児は確かに大変ですが、
このように見方を変えると、
お互いが良い刺激になって、
子どもの体の力を二人同時に伸ばすこともできます。
二人の子どもをよく観察していると、
お互いに良い刺激になりそうな瞬間が、
だんだんと見つかるようになってきます。
「この子は今何に興味をもっているのだろう」
「今何をしたいのだろう」
ということに気を配りながら、
お子さんと過ごしてみてください。
お読みいただき、ありがとうございました。
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