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子どもの健やかな成長を守るために大切な「運動器検診」

こんにちは! 足育アドバイザーで保育士の成田です。

新年度が始まり、お子さんの学校に提出する書類の山に深いため息をついている方もいるのではないでしょうか。

何枚もの書類に似たようなことを書くので大変ですが、実はこの書類の中に足育に深く関わりのあるものが含まれています。

宮崎県では「脊柱及び四肢の状態に関する保健調査票」という名称の書類で、足育講座でお話している「運動器検診」のことです。

この検診は、平成28年度(2016年)から新しく始まったものなので、お子さんが初めて入学される方は「自分が子どもの頃にこんな検診あったかな?」と戸惑うかもしれません。

今回は、この運動器検診についてお話します。

運動器検診とは?

運動器とは、体を動かすことに関わる体の部位の総称です。
骨や筋肉、関節、神経などが含まれます。
運動器は、それぞれが協力していろいろな動きを創りだしていますが、どこかに問題があると、体全体の動きがうまくいかなくなります。

近年、子どもの遊び方が変わったり、便利な生活になったりして、運動不足による子どもの体力や運動能力の低下が問題になっています。

一方で、スポーツ少年団などに参加している子どもは、それぞれのスポーツに特有の動きばかりに経験が偏ったり、同じ部位を使い過ぎたりして、運動器にトラブルが起きる「スポーツ障害」が問題になっています。
よく知られるものでは、野球肘、ジャンパー膝などがあります。

運動器検診は、このような問題を早く発見し、問題が大きくなる前に適切な治療等を行い、子どもたちの健やかな成長を守るために行われます。

「こんなにいろいろチェックするの? もう、面倒!!」と思った方も多いでしょう。

でも、どの質問も、子ども達の体の問題に早く気づくため、トラブルが起こりやすい体の状態になっていないかを見るために、大事な質問なのです。

調査票の内容

学校から配布される調査表には、次のような質問があります。

  • 肩や腰の高さに左右で差はありませんか?
  • 腰を前に曲げたり、後ろに反らしたりしたときに、痛みはありませんか?
  • 手のひらを上に向けてひじを曲げた時、手指が肩につきますか?
  • 手のひらを上に向けてひじを伸ばした時、ひじが伸びますか?
  • バンザイをして腕が耳につきますか?
  • しゃがんだり立ったりするときに、痛みや動きの悪いところはありませんか?
  • 片脚立ちが両脚とも5秒以上できますか?
  • かかとをつけたまましゃがみこみができますか?

「こんなにいろいろチェックするの? 面倒そう…」と思う方もいらっしゃるかもしれません。

でも、どの質問も、子ども達の体の問題に早く気づくため、トラブルが起こりやすい体の状態になっていないかを見るために、とても大事な質問です。

子どもは運動器も未熟でトラブルが起こりやすいもの

成長期の子どもは、骨や筋肉が未熟な状態なため、運動器のトラブルが起こりやすいものです。

骨と筋肉の成長のタイミングには差があるため、特に身長が急に伸びる時期は、骨の成長に筋肉がついていけずに筋肉が固くなりやすく、トラブルを予防する意識が必要です。

調査票に書かれている質問は、今の体の状態を知る手がかりとなるものばかりです。

子どもをずっと身近で見ている親だからこそ、些細な変化にも気づくことができると思います。

問診票が届いたら、ゆっくりと時間を取って、ひとつひとつの項目を丁寧にチェックしてあげてください。

また、検診でない時期にも、この問診票の内容で当てはまる点がないか、気を配っていてほしいです。

「できない」「痛みがある」にチェックをつけるとどうなる?

学校によって対応は異なりますが、基本的は整形外科を受診します。

学校で整形外科医の先生に診ていただけるところもありますし、学校から整形外科医を受診するよう勧められるところもあります。

チェックがついた項目の原因を探り、早く適切な対応をすることが子どもの健やかな成長を守ることにつながりますので、指示に従い受診しましょう。

受診の結果、「様子を見ましょう」と言われることも多いかもしれませんが、様子を見て大丈夫な状態であることが分かるのも大切なことです。

家庭でトラブルの背景を考えてみよう

私も毎年、子どもたちの問診表を書いています。

中でも、長男が中学3年生のときに起きた出来事はよく覚えています。

毎年できていた「かかとをつけたまましゃがみこみができますか?」という項目で、長男が後ろに転んでしまいました。

しゃがむ途中で足首の関節が曲がりづらくなり、こらえきれずに後ろに倒れてしまい、本人も驚いていました。

実は、息子の通う中学校の上履きは、トイレで見かけるサンダルのようなスリッパが指定されていました。

スリッパは足に固定することができないため、歩いているときに脱げないよう、足に不自然に力を入れて歩かなければいけません。

長男は私から耳にたこができるくらい足育の話を聞かされていたので、自分でスリッパの使用が問題ではないかと考えました。

体の状態を知り、日常の体づかいを見直すチャンスに

わが家の運動器検診では「肩や腰の高さに左右で差はありませんか?」という質問にもよくチェックが入ります。

一般の家庭では見逃されるであろう軽い左右差なのですが、「いつも、片側に重い荷物を持ってない?」「斜めに座ったりしてない?」「足、組んでない?」と日常の体の使い方を見直すいい機会になっています。

運動器検診の問診表に載っている質問は、体の問題に早く気づくための質問が満載です。

いつも思い通りに快適に動ける体でいるために、調査票をもらってきた子どもだけでなく、家族みんなでやってみましょう。

足育アドバイザー(R)/保育士
成田あす香

足育アドバイザーは特定非営利活動法人日本足育プロジェクト協会の登録商標です。
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成田 あす香

みやざき足育センター 代表/NPO法人日本足育プロジェクト協会 理事

保育士/足育アドバイザー(R)/健康経営アドバイザー

子どもの体の健やかな成長と大人の健康づくりに欠かせない「足と靴の基礎知識」「体を動かす楽しさ」をテーマに、2013年より講演活動などを行っています。
これまでに、宮崎県内21市町村と全国5都県にて延べ300回以上の足育講座を開催し、受講者は5000人を超えました。

2024年には、幼少期の足の成長への貢献が評価され、「運動器の健康・日本賞」奨励賞を受賞。
また、宮崎日日新聞「からだの土台足育」連載や、UMKテレビ宮崎、MRT宮崎放送でのメディア出演の実績もあります。

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