成功か失敗かを決めるのは自分

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お読みいただきまして、ありがとうございます。
 
みやざき足育センターの成田あす香です。

子どもが自分でお弁当を作る「弁当の日」

娘の通う小学校では、
遠足の日に合わせて「弁当の日」
という取り組みが行われています。

「弁当の日」は、
香川県の小学校で当時校長をされていた
竹下和男先生が始めたものが、
全国的に広まったもので、
子どもが自分で最初から最後まで、
お弁当を作って学校にもっていきます。
 
親がしているのを手伝って作るのではなく、
メニューを考えることも、買物に行くことも、
お弁当を作るのも、片づけも、子どもがします。

そして、親も先生も、
手出し口出しや評価をしないのが、大事な約束です。

私は、長男が小学校1年生のときに、
宮崎で「弁当の日」を広めておられる
船ヶ山清史さんの講演会を聞く機会をいただきました。

長年に渡って「弁当の日」に取り組まれている学校や、
船ヶ山さんのお子さん方のスライドを見て、
弁当を作っている子どもの目の輝きや、
やりきった後の自信に満ちた表情が本当に素晴らしく、
「ぜひ私もこれを子どもに経験させたい」と思いました。

わが家のお世話になっている小学校の「弁当の日」は、
「それぞれの家庭でできる範囲で」
というゆるやかなものですが、
私は小学校1年生からお弁当作りを任せてきました。

小4の娘、初めて一人でお買い物に行く

 
さて、今回の「弁当の日」にあたって、
娘が考えたお弁当のメニューは、
ウインナー、卵焼き、そしてミニトマト。

遠足の前の週末のうちに、
日持ちのするものは娘と一緒に買い物を済ませて、
ミニトマトのみ前日に買いに行くことにしました。

そして、遠足の前日になりました。

私がどうしても仕事が立て込んでいたので、
これもいい機会だと思い、
「一人で買いに行ってみる?」と提案し、
「レシートとお釣りを持って帰ってきてね」
と娘にお金をもたせました。

これまでの買物は、
食材選びは子どもにさせていましたが、
私の買物に合わせて連れてきていたので、
実は、本当に一人で買い物に行くのは初めてです。

しばらくすると、
娘が買い物を終えて帰ってきました。

レシートを見るとミニトマトは216円で、
「まあ、そんなものだろう」
とお釣りとレシートを受け取りました。

「このトマト、なんでこれだけしかないの?」

さて、仕事を終えて家に帰り、
夕食を作ろうと冷蔵庫を開けると、
ミニトマトのパックがありました。

中に入っているミニトマトは、
たったの3つ。

『ん? なんで3つだけ? 
 まさか、弟がつまみ食いした??』

私はすぐに娘を呼び、
「ねえ、このトマト、なんでこれだけしかないのかな?」
と聞きました。

娘は、もごもごと答えました。

「…いくつ買えばいいか分からないから、
 使う分を買えばいいと思って…3つ買ってきた。」

私は意味が分からず、眉間にしわを寄せました。

すると娘が
「バイキングって書いてあったんだけど…。」

「えーーーーーっ!! 
 バイキングって言うのは!
 このパックに入る分、好きなだけ買っていいんだよ!!」

私は思わず大きな声を出してしまいました。

「…だって…いくらか分からなかったし…。」

「そういう時は! お店の人に聞くの!!」

「……つぎから気をつける…」

悲しそうな娘の顔を見て、
思わず感情で動いてしまった自分を反省しつつ、
つい、ぽろっと一言つぶやいてしまいました。

「お店の人も、なんかおかしいなと思って、
 教えてくれればいいのに。」

いやいや、お店の人だって、
たくさんの商品があるし、
お客様もどんどん来られますから、
そこまで気が回らないですよね。

成功か失敗かを決めるのは自分

「弁当の日」の大事な約束は、
子どもが最初から最後まで自分で作ることと共に、
親も先生も、手出し口出しや評価をしないことです。

子どもは、手出し口出しや評価をされないから、
成功だけでなく失敗もできます。

また、成功か失敗かを決めるのは、
他人ではなく、自分です。

もし、私が何も言わなければ、
娘は「使う分だけ買ってきて、無駄なくできた」
と思っていたかもしれません。

それか、別の機会にバイキングの仕組みを知り、
「あれ? もしかして、私、あのとき損した?」
と気づいたのかもしれません。

今回、私がうっかり感情的になってしまったことで、
娘は「私に怒られた」という思い出が残り、
失敗した経験として人生に刻まれたことでしょう。

惜しいことをしてしまいました。

次からは「あれ?なんで??」と思った時に、
「ちょっと待て」と出来事を冷静にとらえ、
言わなくてもいいことは、黙っていようと思いました。

親子足育クラスのときには、
参加されているお母さん方に
「子どもに口出ししないでくださいね」
と言っている私ですが、
わが子となると、まだまだです。

そして「弁当の日」

遠足の日の朝、
娘は5時半に一人で起きて、
お弁当を作りました。

自分の分だけでなく、
私の分も作ってくれました。

お昼ごはんの時間、
お弁当の蓋を開けて中が見えた瞬間、
私は思わず
「わあ、美味しそう」
と一人で声を上げてしまいました。

人が作ってくれたお弁当って、
こんなに嬉しいものなんですね。

おかずは、タコさんウインナーと卵焼き、
前日の夕食で余ったほうれん草のソテー、
そしてミニトマト。

一口食べてみるとやっぱりおいしくて、
一生懸命に作った気持ちが宿っているようで、
娘を思い出して温かい気持ちになりました。

夜、一緒にお風呂に入った時に、
「すごく美味しかったよ、ありがとう」
と伝えました。

「弁当の日」のホームページには
こう書いてあります。

「この取り組みを通じ、
 子どもたちは感謝の心を知り、
 自己肯定感が育まれています。
 失敗の中から多くを学び、
 生きる力を身に付けています。」

子どもだけでなく、
親も学びを得た「弁当の日」でした。

お読みいただき、ありがとうございました。