2019年1月30日、国富中央児童館(宮崎県東諸県郡国富町)の子育て支援事業「体を動かしてあそぼう」にて、わらべうたによる運動遊びワークショップをさせていただきました。
0歳7カ月から3歳9カ月までの10人のお子さんと、8人のお母さん、4人の児童館の先生にご参加いただき、思い切り体を動かしていたら、あっという間の40分でした。
乳幼児期のうちに育てておきたいのが、次に挙げる3つの体の力です。
(1)姿勢をまっすぐに保つ力
(2)衝撃から足を守る土踏まずの力
(3)転んでもけがをしないように身を守る力
まずは親子で遊んだ後に、この力を育てるためにはどんな遊びが良いのか、遊んだわらべうたと一緒に解説しました。
ワークショップの内容を一部ご紹介いたします。
「おすわりやっす」
「椅子役の人のひざの上に、子どもが何人乗れるか」を遊ぶ京都のわらべうたを、大人のひざの上で1人の子どもを座らせて(赤ちゃんは寝かせて)揺らす遊び方にアレンジして遊びました。
「おすわりやっす いすどっせ あんまりのったら こけまっせ」と唱えながら子どもをゆらし、最後の「こけまっせ」のところで、子どもが前や横に倒れるようにします。
座った姿勢で前方や左右に倒れそうになると反射的に両手をついて体を支えて身を守る力を「保護進展反応」と言います。
保護進展反応は、はいはいなどの発達を通して、1歳までの間に身に付けていくものですが、あまりはいはいなどをしないで成長し、この反応が出ないお子さんも中にはいます。
だから、歩く前のお子さんを育てている方は、今はいはいをしっかりしておくことが大切。
そして、もう歩き始めているけれど転んだ時に手が出にくいのが気になる場合には、歩く前の体の動きである寝返りやはいはいなどの動きを、遊びとしてやっていくと良いです。
たかいたかい
「たかいたかい」体が不安定な状態になっても姿勢を保つ力と、転んだ時に顔を上げる力を育てます。
子どもの両脇を手でしっかりと握って支え、子どもの表情を見ながら、ゆっくりと体を高い位置に上げます。
子どもが怖がるような早さで高い高いをすると、子どもは体を緊張させてしまい、逆効果です。
うえからしたから
「うえからしたから おおかぜこい こいこいこい」というわらべうたに合わせて布を振り、上に飛ばします。
落ちてくる布を、体の一部分でキャッチするというルールをつけて遊んだところ、それだけで体を使うことになり、普段やらないような動きもできました。
「お尻でとる」といったちょっと難しいルールでは、「え~どうしよう」「あら~失敗」と笑いも生まれました。
最後は布を使ったしっぽ取り競争で、布を集めるのも遊びにしました。
それでは、参加されたお母さん方のご感想を一部ご紹介いたします。
あんまり動かない7カ月の子でも遊べた
まだ、あんまり動かないけれどできるのかが心配でしたが、7カ月の子でも一緒に遊べるやり方を教わることができました。
「おすわりやっす」など、子どもと自宅などで遊んでいこうと思います。
(0歳7カ月の女の子のお母さん)
楽しそうに走り回る姿を見て嬉しくなった
スキンシップも兼ねて、もっと子どもと体を使った遊びを取り入れてみます。
お父さんにも教えて、父子でも楽しんでもらおうと思いました。
子どもが楽しそうに思いっきり走り回っている姿を見れて、こちらまで嬉しく楽しくなりました。
ついつい忘れがちな注意点など、最近意識させて頂けて良かったです。
(3歳9カ月の女の子&1歳1カ月の女の子のお母さん)
たくさんのおもちゃより、家にあるもので触れ合っていこう
限られたスペースの中で、親子でできる遊びはどのようなものがあるのかと思って参加しました。
抱っこしてゆらゆらするのと、親が寝て子どもを足で動かすのは、子どもも気持ちよさそうで私も楽しかったです。
たくさんのおもちゃより、家にあるものを使って触れ合っていこうと思いました。
(1歳6カ月の男の子のお母さん)
続いて、主催していただいた国富中央児童館の先生のご感想を紹介いたします。
遊ばせるのではなく、遊びたくなる雰囲気を作ること
昨年度の子育て支援「体を動かしてあそぼう」で成田先生に活動していただき、子どもだけでなくお母さん方もとても楽しそうにされていたので、新しいお母さん方にも体験してほしいと思い、お願いしました。
昨年度より利用する子どもの年齢が低くなっていたので、昨年の活動のような動きは難しいと思い、少し不安もありました。
それが、先生とお話する中で「小さければ小さいほど良いんですよ」の言葉に、とても楽しみになりました。
ワークショップの中で「まず、大人が体を動かして楽しむこと!」という言葉が印象的でした。
子どもの身体の発達には、早いうちから体を動かすことが大切だと聞くのですが、支援員としてなかなかそのような活動を取り入れるのが難しいと思っていました。
それが、遊ばせるのではなく、遊びたくなる雰囲気を作ること。私たちから…ということに改めて気づかせていただきました。
ワークショップを結んだ後には、「1歳児のお昼寝のタイミングと外遊びについて」と言った子育てに関わるご質問もいただき、生体リズムに合わせた生活リズムづくりの観点から工夫できることをお話させていただきました。
今日の機会をつくってくださった国富中央児童館の先生方と、お集まりくださった皆様方に心より感謝いたします。
お読みいただき、ありがとうございました。
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